夫婦の1日

夫婦の1日

遠藤周作さんの短編小説。

ほんと、私の読み方は邪道中の邪道だと思うのですが
遠藤氏の狐狸庵シリーズのエッセー中心だったんですね。
小説はどうも、気が重かったんですね。
彼の小説にはキリスト教の精神がずっしりと宿っていることを
高校時代に学んだ文学史で知識として仕入れており
それが私を彼の小説から遠ざけていたのでした。

タイトルにだまされて(?)てっきりエッセーと思ったら
読みやすい文体ながらも人間の2面性を深い洞察力で
描いた珠玉の短編小説集。
親戚中から困りものとされている、でも主人公と
うりふたつのいとこが亡くなったとき
いとこの邪悪なところを回顧しつつ
その邪悪さを忌み嫌う風を装いながら
実は邪悪な状況におかれることに喜びを感じる
自身の心の動き、そしてそういった心の動きから
わかる自身の二面性を戸惑いながらも冷静に
分析するようす。

細川ガラシャ夫人から感じられる
日本独自のキリシタン信仰。
そしてガラシャ夫人を支える風を装いながら
どこかにその不幸を喜ぶおつきたち。

短編、でありながらも、どれもキリスト教信仰が
ベースにあり、信仰に基づく自己内省と
他者評価が簡潔な文体でつづられる、その
独特の世界観。

食わず嫌いで読まなかったのは、実にもったいなかった・・・。

今更、ですけど、海と毒薬、読んでみよう、と思い至った次第です。

今日のBGM
時間旅行
Dreams comes true

もうこの曲も実は20年前の曲だなんて。
時のすぎるのは早い。
(音楽の感想でもなんでもなくてすみません)


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