ふわっとブータンこんにちは

ふわっとブータンこんにちは

テレビで特集をしているのをみてすっかり心惹かれてしまったブータン。
中国で見たチベット仏教の寺院を見た記憶が鮮明なところで見た
ブータンの映像はもう本当に鮮やかで。
これは行ってみたいという気持ちにかられました。

そんな欲求が高まったときに目に入ったこの本。
早速読んでみました。

ブータンを旅するにはいろいろ参考になる情報満載でした。
私がテレビで見たのはたぶんティンプーという首都で、さらに奥地に行くと
結構旅としては相当過酷なものになりそうであることが本からよくわかりました。

高地を旅するとはどういうことか、はこの間の中国でなんとなくわかったんだけど
なんのかんの言っても宿泊したホテルはそれなりのランクのホテルだったし
ホテルの中での食事やらお風呂やらトイレやらは日本の生活の延長上にあったんですよね。

しかしながらブータンの奥地ではそうはいかないわけで。
言われてみればそりゃそうだ、なんだけど
うーん、もしかしたら私の場合はティンプーを見るのだけで
終ったほうがいいのかもしれないなあ、とこの本から感じました。

ところでブータンという国、どういう国やら?という人も
国の目標をGNPにおかず、国民の幸せではかる国である、という
話はどこかできいたことがあるのでは?
実際ブータンの国民は相当に慎ましやかで親切なようです。
また成長をやみくもに追求することもなく、むしろ
近代化に相当注意をはらっている模様であるのを著者がそこかしこに
感じている様子もよくわかりました。

正直本の途中はだれるというかなんというか。
写真も何もない中で読むには少々厳しい文章が続きまして
どうしたもんか、と思ったのですが、本の最後を読んで
おお、この最終章のためにそれまでの回顧録はあったのでは
と思わせられました。

三十何年間日本で生活してきた私なので、九日間やそこいら旅した
くらいで、「日本が奇妙に見える」なんてことはない。帰国後も
ブータンで学んだことなどころっと忘れたように、バーゲンにも行ったし
うまい店へわざわざ電車で出かけもしたし、ローンの金利に一喜一憂したりした。
現代日本にどっぷりつかったひとりだ。
それでもときどき中央線の中などで思う。人ともろに目があっても、どうして
皆にこりともしないで、目をそらすのだろうと。

農業国で、環境も損なわないブータンの暮らしは一見、自己完結的で、自然の営みとも
マッチしているようではある。が、学校で使うゴムボールひとつさえ、輸入しなければ
ならないのは見てきたとおり。工業生産など空気を汚すことは人の国に任せて「いいとこどり」
をしているといわれても、反論できない。

そして著者はブータンを案内してくれたガイドからの一言に考えるのでありました。

「日本に帰ったらブータンのことを人に話す機会があるだろうけど、すべてがよかった
とは、決して言わないでね」
私は「?」と耳を傾けた。
「僕はこの国に生まれて幸せだし、誇りにも思うけど、外国と比べたら、いいところも
悪いところもあるでしょう」
日本人の目から見て、どこがよくて、どこは悪いと思ったか、自分の感じたとおりに伝えて
ほしい、と。
一度も国を出たことのない人が、そう言える賢さ、自分の国を相対化する能力は何だろうと、
私は舌を巻いてしまった。そして仮に、彼と日本で、はるばるブータンから旅してきた人として
会っていたら、私は同じことを言えただろうかと考えた。めったに行き来できない国であるだけ、
好きになってほしい、いい印象を持ってほしいと、願ったのではあるまいか。
 けれども、もし、この先彼が来ることがあるなら、言おう。東京にはブータンにはない電車も
ある、地下鉄も通っている、家々は便利にできているし、食べ物も着る物もたくさんある。それは
この国のひとつの達成かもしれないけれど、そうしたいい面も悪い面も含めて、なるべく多くを見て
帰ってくださいと。
 その上で、どういう国になりたいか、どんな道を歩むのか、自分達で選べるように祈っていますと。


ほんというと、私たち人様の国がどうなりたいかなどを考えている場合ではないのよね。
ここ数年の政府首脳のドタバタ首相交換劇、そして、批判しながらも
首相が変わるとすぐ支持率があがるこの国の単純思考を見るにつけ、
私たちはそもそもどういう国になりたいんだったのかわからなくなるわけで。
せっかくグローバルに違う国の様子をその昔よりは簡単に感じられるようになった
昨今、何が自分の求める幸せなのか、は常に考えていきたいもんだ、と思う今日この頃です。

今日のBGM
Walking on a thin line
Huey Lewis & the News

戦争も近現代化の象徴、かもしれません。
ベトナム戦争がこの曲のベーステーマになっています。
スポンサーサイト

テーマ : 最近読んだ本 - ジャンル : 本・雑誌

コメント
コメントの投稿
管理者にだけ表示を許可する