かわいい子には旅をさせるな

かわいい子には旅をさせるな

鷺沢萌さんのエッセー。
行動的ででも繊細で、
向こう見ずにみえるけどでもものすごくものごとを深く考える
彼女の特性がよくわかるエッセーです。

エッセーそのものもすばらしいですが、実はもうひとつの読みどころは
本の解説。
著者と懇意でもなく、かといって本の読解が深いわけでもない
そんな人間の解説で本の読後感がめちゃめちゃになることがありますが
この解説は著者の古くからの友人(で、おそらくいわゆる一般の方と
お見受けします)著者がどういう人だったのかが痛いほどわかる名解説です。
解説を抜粋し紹介し、この本の紹介を終えたく思います。

彼女は私とは違い、物事を斜めに見たりせず信じることをやめない
熱さがあります。ひとの問題を自分の問題としてともに悲しみ、苦しみ
腹をたてることができる人なのです。心を許したひとを守るためであれば
その身を投げ出す彼女はその無防備なほどの純粋ゆえにずいぶん傷つくことも
あったのだと思います。自分が相手に向ける「熱さ」を相手に返してもらえない
寂しさを何度となく味わってきたと思うのです。彼女の情はまるで母親のように
深すぎて熱すぎてまっすぐすぎました。だから多くの人が返すべきものと
喪和図、彼女の優しさに甘えていたのではないかと思います。彼女の心を捧げられる
ことの価値がわかっていないでその情に甘えている人を見ると、私はいつも悔しくて
悔しくて彼女に対してすら腹を立てていました。でも彼女はどんなに傷ついても
何があっても、自分が信じたいと思う人をまるごと信じることをやめないのです。
そんな彼女を私はずっとすごいなあと思ってきました。
もちろん彼女の「熱さ」をきちんと受け止めている人もいて、その一人である
角川書店の担当編集者でもある佐藤秀樹さんは「うれしいことがあると彼女を
思い出して寂しくなる」と言っていました。他人のうれしいことを誰よりも喜ぶ
彼女のこと、きっと一緒に喜んでくれただろうなあと思い、彼女に会いたくなるのだ
そうです。


今日のBGM
Time ain't Money
Huey Lewis and The News

ぴりっと短い小品。
軽くてでもハードでかっこいい、素敵な作品です。



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