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資生堂・サントリーの商品デザイン展

資生堂・サントリーの商品デザイン展

資生堂もサントリーも、業種こそ違えど、日本においてセンスがいい会社の
筆頭にあがる2大巨頭。この2社のデザイン展が、芸大で開かれています。
さらに31日は、サントリーと資生堂のデザイン担当の部長のプレゼンまで
あるっていうじゃないですか。これは行くでしょう、ずばり。

まず美術展を見る前に講演を聴きに行きましたが
講演は満杯で立ち見が出てました
(早めに行ったのに私も立ち見するはめに)
でも立ってみていても疲れを感じさせない面白い講演でした。
こういった展覧会をする意義から始まり、デザインが決まるまでの
2社のプロセスなども紹介されていました。当たり前っちゃあ
当たりまえのプロセスですが、それでもやはり2社の独自感は
ココかしこに出ていました。

資生堂が重視するのは品格である一方で、サントリーは
「やってみなはれ」の精神と
開高健氏の名コピー「人間らしくやりたいな」の精神が
息づくデザインを目指しているそうで、なるほど、確かに
その2社の息遣いは商品デザインからじんわり漂ってくる
感じがします。

デザイン展そのものは実にシンプルで、過去の商品・現在の商品を時系列に
1920年代から並べています。
さすがに20年代の商品デザインはレトロな雰囲気満載ですが、しかし実に美しい。
この頃までの日本の美意識ってものすごいものがあると常々思っていたけど
このデザイン展でもその感は強くなりました。

70年代に入るとだんだんと「おおっ、あったあったこういう商品、いや
懐かしいなあ」というデザインとは関係ない回顧的な思いもわきあがって
きます。サントリーのオレンジジュースのパッケージとか、資生堂の
パーキージーンとか懐かしかったなあ。
さらに!!となったのは 資生堂のchant du coeur。
すごーーく好きだったのよ。この香水。(今はもう廃番のはず)
あらためてみてみると、瓶のフォルムも実におしゃれ。
また再販してくれないかなあ。

ということで実に充実した展覧会だったのですが
ちょっと?だったのは、展覧会にきている人たちの、展示物の見方。

この展示って、商品デザインのうつりかわりを横一線で見て
実感することに大きな意義があると思うのですよ。
しかし、きている人たちの大半が、まるで美術館の絵を見るが
ごとく、商品の一品一品をためつすがめつながめているのですね。
ま、百歩譲って20年代の商品をじっと美術品のごとく
ながめるのはいいとしましょう。ほとんどの人がリアルに見たことは
ないだろうし。
しかし70年代や80年代、90年代のものは
下手すると今もまだ商品デザインとして出回っているものも
あったりするんで、南アルプス天然水のペットボトルなどを
ためつすがめつ見ている人たちにはつい「そんなに珍しいですかあ?」
と突っ込みたくなってしまいました。

ま、どう見ようと人の勝手なのですが、
細部にこだわって、この展覧会での大事なテーマである
時代の流れを見逃すのはもったいない、と私は思いました。

なお展覧会は明日までです。
サントリー・資生堂は、集客1万人という目標をでかすぎるかなあ
と思いつつかかげたそうですが、実際には31日までに16000人もの
人が訪れたそうです。うーんさすが名門ブランド。

今日のBGM
ショパン: ボレロ, ハ長調, Op. 19
Dang Thai Son

久しぶりに上野公園を訪れてみましたが、いや情緒あふれる
ところですね。上野公園近辺の活気あふれる状況と
公園の中のアートな雰囲気とのギャップがすごいけど。
上野公園中できいたこの曲は、場の雰囲気にあって
家で聴くのとはまた一味違った感慨がありました。
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