藤沢周平の世界

ここ数か月読んでいたのが藤沢周平の全集です。
現代小説も書いていらっしゃいますがやはり時代物のほうが圧倒的に
数も多く、また味もあります。

私が彼の小説の魅力を知ったのは実はTVからでした。
藤沢周平を読む、というケーブルの番組がありまして
元NHKの松平定知さんがその確かなアナウンス力と表現力で
彼の小説を朗読していくのです。
TVですから、イメージ画像はありますが、あくまで音声は
松平さんのアナウンスのみ。
テレビをみてるのに、画像がいっさい頭に入ってこず
音声だけに集中してしまう不思議な感覚を味わえる番組でした。

番組を通してしった今まで味わったことのない不思議な魅力がつまった
藤沢周平の全集を図書館で
見つけた時には迷わず手に取り、読み進めていきました。

彼の作品はほとんど短編です。でもどれも短編なのに、その短編で2時間
もの映画が作れるくらいの深さ(実際各賞総なめのたそがれ清兵衛も短編です)
そして読後感に流れるなんともいえない余韻。
この余韻ゆえ何度私は電車で駅を乗り過ごしたでしょう(・・・)

彼の小説のすばらしさは、有名人物ではなく、市井の人にスポットをあてている
ところにもあります。町人だけでなく武士ものもありますが、立身出世の人物よりも
武将の中の参謀や、密使を担う人物や足軽クラスをとりあげています。
歴史でとりあげられるような武将だけにドラマがあるわけではなく、その配下に
ある人物にもそれぞれ策略があり、思いがあり、迷いもあるわけで、トップクラスに
君臨しないような普通の人のドラマにこそ、人間のおろかさもすばらしさが
あらわれているような気が、彼の小説を読むと感じます。

とにかくすばらしいの一言に尽きる藤沢氏の世界。
好きな作家、と聞かれたときにこれからは彼の名前を必ずあげることと思います。

今日のBGM
If You Want To Party (I Found Lovin')
All Saints





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