0からの風

2007年上映、先ごろなくなった田中好子さん主演の映画。
飲酒・無免許・スピード違反の3つが重なった悪質運転により
大学に入学したばかりの一人息子をなくした母が
危険運転致死傷罪という法を作る形まで国を動かしたその
軌跡を描いた映画ですが、法律を作る過程よりも
納得しがたい理由で息子をなくしてしまった母の
狂おしい気持ちに焦点が全て集約されている感があります。

最終的に国を動かしたわけですから
主役の母は行動的でかつ熱意にあふれた人であります。
この手の映画って、そうなるとその母をスーパーウーマン
っぽく作り上げちゃうてらいがありますが
この映画のすごいのは、すごい、人なんだけど
それだけに直情的で、一般的にはなかなか受け入れがたい
行動をとる面も描いています。

ここからは映画のストーリーのネタばれてきなところも
書いてしまうのですが、最後のほうで、この事件を
ずっと追ってきた記者と母のシーンがあります。
事件の残虐性と人を無責任に殺したわりに軽すぎる
刑に怒りを感じたからこそ、事件を追ってきた記者が
出所した犯人に母が向けた言葉のやりとりに
「いくらなんでもやりすぎではないか。自分達だって
いつ加害者側になるかもわからないわけだし」
というようなことを言うと母は、この手の趣旨のことを
言います。

それは確かに自分だって加害者側になるかもしれない。
自分だって交通違反をおこしたことがないとはいわない。
でも被害者の家族になったとき、同じことをあなたはいえるのか。
まわりから私はどういわれてもかまわない。この気持ちは
被害者でないとわからない。

この映画が伝えたかったメッセージはそこにつきるんだろうな、
と思います。

それにしてもこの映画、田中好子さん抜きでは作りえない映画です。
息子が生きてる間のかわいらしさが残った母親ぶり
なくなった後の激しい悲しみ、悲しみから立ち上がり
法改正に動くまっすぐな姿、
どれもリアルに突き刺さる演技。

ちゅらさんの母役もはまっていて、うまい女優さんだなあ
と思っていたけど、本当にすごい人だったんだなあ、というのを
今さら感じ入る作品でした。

映画、というよりはちょっと長時間ドラマの態がある感じは
否めなかったけど、見る価値はあり、だと思います。

今日のBGM
Karl Wolf Feat Kardinal Offishall
Ghetto Love

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テーマ : 今日観た映画 - ジャンル : 映画

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