官僚たちの夏

官僚たちの夏

城山三郎氏の名作。
落日燃ゆに続き読んでみました。
こちらもそういやドラマ化されましたね。

官僚非難はいまやトレンドで、官僚=悪人 みたいなむきになっていて
官僚側の視点で語られることすらタブーになっている中
40年以上も前が舞台であるにせよ、この小説は貴重なものであるきがします。

落日燃ゆの場合は、主人公の広田弘毅に著者は完全に肩入れしている気がしましたが
この主人公の風越については、肩入れもせず、かといって批判もせず
本当に小説の中の一登場人物として動かしています。
それだけに、主人公やまわりの登場人物の個性も際立つ形になっています。

大変面白かったのですが、この小説を面白い、と思えるのは
やはり宮仕えの経験をある程度の年数こなしている輩じゃないかしら。
なんの経験も知識もなくてももちろん十分楽しめる小説ですが
一定の大規模組織の中にいた時にいつのまにか巻き込まれてしまう熱気、
社会のために、組織のためにという強くきれいな志と、人への憎しみや
いらだちと、双方がないまぜになって、日々の行動につながっていっていく
その様子についてはやはり経験のあるものの想像力のほうがリアルであるのは
言わずもがな。

とはいえ、あまりにリアルなシーンにおいては切なくなったりもしますので
リアルに想像できるのもよしあしですけどね。

ということで20代で読むよりオーバー30になってから読むほうが断然面白い小説
ではと思います。

今日のBGM
Synchronicity II
Police
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