私の大阪八景


簡単なことを難しく書くのは容易だが難しいことを簡単に書くのは難解である、というのは時に耳にし、自身も実感することが多い真実なのですが、この小説はその難解な技を実にさりげなく発揮している傑作です。
時はまさしく戦時中。愛国主義一辺倒の学校教育を一心に受け、ものもなくなり、日々の生活はページをくるに従ってどんどん暗雲立ち込めていくのですが、それでも人々の心の奥底にあるユーモアは決して消えることなく残っている様子が、軽妙な大阪弁のやり取りから伝わってきます。
この暗さと暗い中にあっての一見とぼけたおかしみが、織物のように折り重なっているのがこの小説の醍醐味。
劇的なストーリーに仕上げることもできたはずなのにあえてそれを避け、この味わい深い作品を仕上げられるのはやはり田辺聖子さんの筆の力に依るところが大きいでしょう。大作然としていない大作であり労作だと思います。

今日のBGM
ゴスペラーズ
永遠に
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不祥事

不祥事

オレ達バブル入行組に続き、池井戸潤氏の小説を読んでみました。
題して不祥事。
銀行内で手続きミスやらなにやらが続いている支店に指導にまわる
うだつのあがらない調査役とその下で、すさまじい事務処理能力と
負けん気とで、本来本題であるはずの処理ミスの要因をつぶしていく
のみならず、その背景にある人事のどろどろやら、不正やらを暴いていく
勧善懲悪な物語。

推理小説といえば、殺しか盗みかが王道ですけど、こういう企業内の
疑惑解明っていうのはなかなか新鮮で面白い。

もっとも私は金融業界に属したことがないので
ここに描かれていることが「さもありなん」なのか
「いくらなんでもここまでひどくないさ」なのかはわかりません。
まあこんなにひどい不祥事連発な銀行あったら、マスメディアから
袋だたきで、調査役&部下二人に任せておくようなことには
ならないんじゃないかと思いますけどね。
まあさらにいえば、5年目社員でいくら仕事ができる、といえど
ここまでかっこよく立ち回れる輩は現実いないと思いますけどね。

一話完結、だけど微妙に連続性があるこの小説、
ドラマ化するにはぴったりな素材である気が。
そしてドラマ化されたら、配役にもよるけどちょっと見てみたいかな。

今日のBGM
ハナレグミ
オアシス

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桃月庵白酒 独演会

桃月庵白酒さんの独演会に行ってきました。
笑点とか有名番組にでてるわけじゃなし、
実力はともかく、なにかとメディアに出(しゃばり)がちな某一家とかとも違い、
あまりマスコミに顔をだしまくる人ではないんで
落語好きでない限りはあまり知らない名前かもですが
落語が好きな人においては、メジャー中のメジャーです。

落語っていうのは知らない人にとっては、なんというか
ハードルが高い高尚芸能のように見えちゃうところもあろうかと。
実際ちょっと小難しい古典落語なんかはある程度聴く側の教養が試される
ところもあるんですけど、
白酒さんの落語においてはそんなかまえなくても大丈夫。
単純に笑えます。

もう枕(落語が始まる前の導入の話)から爆笑必至。
ものすごく人がよさそうな顔してすごい毒舌たっぷりの枕で沸かした後、
ちゃんと本題の落語については、登場人物の人情機微で笑わせてくれます。
力まずやってる風を装って、実はちゃんと鍛錬の詰まれたきちんとした芸を
惜しみなく見せてくれます。これぞ実力派といわずなんといおう。

もともと鈴本演芸場で彼の落語を見てからファンになりまして
独演会があったらぜひ行こう!と虎視眈々とねらっていたんですが
期待以上に大満足の会でした。
演芸場の落語とかだとやっぱり時間に限りがあるからねえ。
独演会だとたっぷりその落語家さんの世界を堪能できるのでやはり楽しい。
いやいや行ってよかった。

落語はどうも近づきがたくて・・という方、ぜひ彼の落語を見てください。
落語の面白さを実感できるはずです。

今日のBGM
明日へのテーマ
桑田佳祐

テーマ : 落語 - ジャンル : お笑い

鶏のたたき

しばらくご無沙汰してしまいました。
いろいろ仕事でどたばたが重なりまして、ブログを書く気力が回復しませんでしたが
またぼちぼち復活していこうと思います。

ということでまたまた与論ネタに戻ります。

与論島は奄美同様鹿児島所属の島なのですが、地理的にも沖縄に近く
あまり九州の影響を感じることはありませんでしたが
強いて感じたのは、スーパーの棚に必ず鶏のたたきが陳列されていた
ところかな。

ということでスーパーで買ってみました。

鶏のたたき

結構なボリュームですね。これで400円程度。
すりおろしのにんにく、おしょうゆもついていますので
持ち帰って食べるのにも支障はありません。

劇うま!までは至りませんけどでも、変なところで変なものを食べるよか
よほど安上がりでおいしいんじゃないかな、と思います。

今日のBGM
I Love You
a flood of circle

やわなタイトルから、甘いラブソングを想像しちゃいそうですが
癖のある、骨のある一曲。
もっと普通に歌ったらどうなのよ、と思ったりもしちゃいますけど
そのうちこなれてきて適度な個性としてブレンドされそうな気がします。

テーマ : 熊本・鹿児島 - ジャンル : 地域情報

オレたちバブル入校組

オレたちバブル入行組

タイトルに惹かれて手に取ったこの本、今話題沸騰中の直木賞受賞作
「下町ロケット」の作家池井戸潤氏の作品です。

バブル入社時の本当にバブリーな面接やら拘束(懐かしい)やらが
描かれている最初ののんびりムードとは一転、主人公はいきなり
億単位の未回収案件をつかまされるところから、この小説の
醍醐味が一気にまして行きます。

ゆるゆるな入社からいきなりこんなはずではなかった、という
とほほな体験談に突入、と思いきや、持ち前の負けん気と
才気とで一気に社内のあらゆる悪徳勢力にたちむかってゆく
主人公の勢いには、世のサラリーマンはみな前のめりで
感情移入をしていくはずです。

リアルではあるのだけど、サラリーマン社会の現実とししては
そう問屋はおろさない、という部分もありありです。
でも小説くらい痛切な思いをしたい、という輩はたくさんいると
思うの。リアルを追求すると痛快さは減ると思うのよ。
そういう意味ではリアルさもありつつも、現実にはありえない
主人公の快進撃具合が絶妙なバランスで成り立っている小説
ともいえそうです。

バブル入社者でなくても十分楽しめますけど
やはりバブル入社のほうが小説の行間から漂う
バブル当時の浮かれた雰囲気、そこから一気に落ちていく
現実の厳しさとのギャップを、肌感覚で感じているわけなので
他の世代以上に楽しめるかもです。

今日のBGM
ナマイキ(愛・へ・へ・へ・バージョン)
SPPED



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赤い羽根

赤い羽根

近所の駅近くにパンを買いに行ったら
「赤い羽根共同募金にご協力お願いします」
のかわいらしい声。

ふとみれば小学生くらいの少年たちが
大人の監督(コーチ)と一緒に懸命に声を張り上げています。

実は私も中学高校6年間、募金活動やっていたんですよ。
やっていた、というよりやらされていたに近いかな。
学校で全員強制参加させられていたんですね。
最初はなかなか恥ずかしくて声が出せないんだけど
だんだん慣れてきてそのうち「この人いれてくれそう」
とか見極められるようになってくるんですよ。これホント

なーんてことを一瞬のうちに思い出し
募金しちゃいました。

その昔は10月赤い羽根を服につけているのは結構
当たり前な感じだったけど今はほとんどみかけませんね。
羽根を作るのもそれなりにコストかかるだろうから
もう羽根を渡すのはやめたら?と思ったりもしますが
そうすると赤い羽根の意味もわからなくなるからなあ。

強制的に参加させられていた募金活動ですが今にし思えば
結構いい思い出。少年たちもこの募金に参加したことを
大人になってからしみじみ思い出してくれるといいなあと思います。

今日のBGM
Backfield in Motion
Tower of Power



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イチキ 海鮮丼

与論島一の繁華街・・・といっても当然こじんまりした通りなのですが
茶花は、居酒屋はもちろん、スーパーや日常品なども売ってまして
なかなか便利なところです。

さすが海に囲まれた島だけに、当然に魚屋さんもあります。
ここイチキというお魚屋さんには

イチキ

テイクアウトできる海鮮丼が売っています。
おすいもの付でなんと500円

こちらが海鮮丼
海鮮丼

お吸い物はこちら
お吸い物

ちなみに海鮮丼はつくりおきとかじゃ
なくて注文するとその場で作ってくれるのよ。
だから安心だし、お魚もガビガビになってなくて美味です。

南の島だけに、酢味噌なのかな?と思いきや
お醤油にわさびで食するタイプでした。
酢味噌も好きだけど、海鮮丼はやっぱお醤油で
食べたいものね。その点でも合格。

ぜひ与論にお寄りの際には食してみてください。

今日のBGM
Let's Try Again~Kuwata Keisuke Version~
桑田佳祐

例のアミューズ全員集合バージョンのやつも
この原曲でやればよかったのに。
まあアミューズの芸能界における底力を示すには
あのバージョンのほうがいいんでしょうけどね。

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瀬戸内少年野球団

瀬戸内少年野球団
もういまや30年?!以上前の作品。
作品よりもなによりもそんな昔ってことにびっくりですけど
ケーブルTVで放映されていたんでついつい見ちゃいました。

タイトルからして、野球を通じた感動話なんだと思いきや
野球は、なんというか・・・あってもなくてもどっちでも。
原作の小説を読んでないんでなんともいえないんですが
映画に関して言えば野球の逸話はとってつけたような感じがし、
野球のエピソードがが出てくる前の逸話のほうが説得力があり、
リアルで魅力的でした。
野球好きの私からしますとそこは不満。

・・・ですが、その不満をどうでもいいように思えてしまうぐらい
夏目雅子が美しすぎます。
もうこの美しさは奇跡。

そして誰も注目しないだろうけど、大滝秀治も秀逸。
いや、いつでも彼は同じ演技なのよ。
北の国からの演技もこの映画の演技もまったく同じ。
同じ演技のはずなのに、どの作品においても
説得力があって作品に深みを
与えちゃうってその存在感はなんだろう。

ということで映画としてはちょっとどうかな?と
思うところも多々あるのですがそれをも超える出演している
俳優・女優の演技に圧倒される作品です。
いまやハリウッド男優の渡辺謙も今ある意味話題の紳助も
また意味深な役で出ています。

今日のBGM
Misty Mistery
Garnet Crow

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寝ずの番

寝ずの番

中島らも氏の短編小説集。
エッセーを読んだことはありましたが、小説ははじめてで
どんなもんかいな?と思いましたがらもさんらしい
破天荒、でも決して攻撃的ではなく、ただただゆるい
そんなエピソードにあふれた小説のオンパレードです。

相当練りこまれた作品だと思うんだけど、
そういう気配を一切見せていないのがらもさんらしい。
でも絶対創作には生みの苦しみがあったはずでだから
お酒におぼれたんだろうし、だから中におさめられている
「クローン人間」のような発想がでてきたんだろう、と思います。

名作でござい、と主張していないけど、きっちり名作。
ただし、下ネタ全開なので、下ネタ嫌いの方は
やめておいたほうが無難ですのでご注意を。

今日のBGM
Come and Talk To Me
Jodeci

うまいし、それなりにかっこいいんだろうけど
どうもなあ・・・。

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与論島 AMAN

アラビアータ

与論島情報、といわれなければ
どこか東京の本格イタリアンのパスタとみまごうばかりの
おいしそうなアラビアータ。

これ正真正銘、与論島の茶花にある
AMANというイタリア料理屋さんのものです。

与論島 aman

基本開店はお昼だけ。
夜は予約しないとだめです。

与論らしさ、にこだわる場合は不向きな店だけど
おいしいものを確実に食べたい場合ははずさないんではと思います。

今日のBGM
Fantasista
Dragon Ash

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