ル・コルビジェ展

コルビジェ展

アルチンボルド展と同時に開かれていたのはコルビジェ展
アルチンボルド展のチケットをいただいたとき、おっ、コルビジェ展も見られるじゃんと浮き立ちました。

コルビジェの建物をちゃんと見て体験できているのはこの西洋美術館のみ
あとはパリの建築博物館で、アパートの再現を見ただけ。でもこのアパートがめちゃくちゃかっこよくて、うわあいいなと、記憶に残ったのでした

さて、でこのコルビジェ展ですが、生原画を見られるかと思いきやそうではなく
そこはちょっとがっかり。
でも西洋美術館ができるまでの足取りを追うことができます

ネットはもちろん、FAXすらなかった時代に、結構な数の図面をやりとりしている様子がわかります。
建築についてはド素人ですから、この図面のやりとりを見ても何がどう変わっていったのかよく
読み取れないところもありましたが、どうやらいろいろ妥協をよぎなくされたところがあるように
読み取りました

彼の思惑はさておいて、西洋美術館は実に見やすく居心地がよく
展示物と建物とのバランスがいい美術館だと思います。
美術館において光の入れ方や建物の素材、構成にこっていくことは
今や当たり前になりつつありますが、彼の建物はそのはしり、ではないかと思います。

素敵な建物を、いろいろ不便だったあの頃に、残してくれた建築家と、これを実現させた
日本の裏方の皆様にあらためて感謝したくなる展覧会でした。

今日のBGM
Trouble in Paradise
Huey Lewis and The News
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テーマ : 美術館・博物館 展示めぐり。 - ジャンル : 学問・文化・芸術

アルチンボルド展

アルチンボルド1

国立西洋美術館で開催されているアルチンボルド展
同僚から無料招待券をいただきましてちょっくら見に行ってきました。

興味はあったのだけど積極的には見に行かないかなと思っていたこちらの美術展ですが
行ってみて思いのほか、出物な美術展でした。

まあご存知な方はご存知でしょうが、アルチンボルドは動植物を組み合わせて
あたかも人の顔みたいに見せる絵画の異才です。
本来は宮廷画家なわけですが、宮廷という贅のかぎりをつくせ
またその中で知の限りも尽くせる環境で実験的な美術を展開している様はなんとも異様。

でも新たな芸術はまともな環境よりも、やや狂気がかった中で生まれることが多いのは
美術史が証明しています。また美術は、それこそマズローの法則ではないですが衣食が十二分に
たりなければうまれえない芸術で、余裕のある財力と、またそこにある、財だけでない欲がでてきたときに
大きく、多く作品がうまれていくこともまた、歴史が証明しています。
アルチンボルドの奇妙な取り組みもこうした背景で生まれたのだなということをこの美術展で私は初めて
知ることとなりました

あとはひたすらへー、ほー、なーんでこんなこと思いつくかねえというアルチンボルドファンの人たちから見たら
「お前さんちゃんとわかってんのかい」と突っ込まれそうな感想ともつかない感想、ため息をつきながら
鑑賞が終わっていきました。

さて後日。偶然仕事で研修をうけました。受けた研修のテーマは一言でいえば、「違う観点で課題を見返す」という
もの。企業の理屈で商品サービスを見た場合と顧客が見た場合、はたまたお役所が見た場合
訴訟になって司法が見た場合、さらに言えば日本と文化の違う諸外国が見た場合
見え方、は違います。
理屈でそこはわかっているつもり、でも実際自分はその視点にしがみつくのが常である、というのが
研修のテーマでした。

研修の最中ずっと考えていたのはこのアルチンボルド展のことでした。
言ってることはまあわかるがいまいち要領をえないというか
腑に落ちない講師の話を聞き流しながら、変な理屈をこねられるより
アルチンボルドの絵を何枚か見たほうがよほど説得力がありました。

若いころ、年取ったおっさんたちが、仕事と直接関係ない本や芸術に触れることが
仕事のヒントになる的な話をしているのを聞き、けっ、何言ってんだかと
ずーっと思ってました。芸術は芸術、仕事は仕事。芸術を仕事としていない限り
あくまで気分転換として、芸術は役に立つと若いころは思ってましたが
年齢を重ねていくにつれ、関係なさそうな分野から案外仕事のヒントってあるもんなのね

私は別に経営者でもなく、ごく普通の平社員にすぎないですけど
それでも、長く仕事をしてくると仕事から想像できることって若いころから
変わってきている実感があります。仕事で学んだことが友達関係や
家族との関係に生きてくることもあるし、その逆もしかり。
難しく考えすぎてどつぼにはまらないように注意しつつ
人生を重Philaねてきたからこそ、深まるはずの思考力や知識をいかして
いけたらいいですね。

今日のBGM
Beethoven Violin concerto inD.Op.61-1
Allegro Ma Mon Troppo
Takako Nishizaki Kenneth Jean
Slovak Philharomonic Orchestra

草間彌生 わが永遠の魂

草間彌生 わが永遠の魂

新国立美術館で開催中の草間彌生さんの展覧会に行ってきました
訪問客は非常にインターナショナル。英語、フランス語、中国語、ドイツ語もちろんそして日本語
とあらゆる言語が会場に満ち溢れており彼女の国際的人気がうかがい知れます。
日本に在住しているとおぼしき外国の方から観光客まで本当に客層はさまざま

草間彌生no2

会場の一部は撮影フリー。週末でさすがに混んでいたのであまりゆっくり撮影はできませんでしたが
広い一部屋に彼女の作品が四方に展示されている様はなかなかの圧巻。
ひとつひとつにテーマがあり、そこから彼女のメッセージが紡ぎだされている・・・
のでしょうが、作品があまりに鮮烈なので、そこに目が奪われてメッセージを読み取るまでには
至れません。
ただ、平日にいろいろ起きていた数々の些事がその瞬間は一気に吹き飛び
感情が解放されているような錯覚を感じました。

以降の部屋は撮影禁止ですが彼女の初期の油絵などが展示されていて
今の作風にどう近づいていったのかがよくわかります。玉ねぎを描いた静物画なんかも
ありました(といってもただの静物画で終わらずもちろん一定の個性が発揮されてはいるんですけどね)
初期のころはこうした作風を理解し、評価する人は少なかったのかなと想像していたのですが
結構早々に彼女の才能に気づく人が現れていたんですね。今よりも数倍もあらゆることに保守的であった時代に
あって、それってすごいことだよな、と思います。

彼女が幻覚を少女時代から見ていてその恐怖から逃れるために絵を描いたというのはとても有名な話です。
幻覚とは病なわけで、病は治療するほうが当然よい話。彼女にとってそれは重篤な闘いであったでしょうが
幻覚がなければこうした作品は生まれていなかったわけです。
芸術ってやつはほんとに魔物だということを実感させられた展示でした。

今日のBGM
Doin it all for my baby
Huey Lewis and The News






近代工芸と茶の湯

国立近代美術館
久々の美術館探訪。
今回は国立近代美術館工芸館
近代工芸と茶の湯展です。

茶の湯というとなんとなく、少なくとも江戸時代よりは前、応仁の乱前後のものが
出てるんじゃないの?という気になりますが
こちらは1970年代が中心の、タイトル通りの近現代の作品が中心。

お椀から茶器、さらにモダンにして伝統を維持している茶室のたたずまいも
見られ、大変充実しています。
なのに入場料はなんと210円(工芸館だけ見た場合ですが)

いやいやこのお値段ではもったいない、というか申し訳ないかぎりの
充実ぶりです。

私のような器好き、は絶対見にいくべき、です。
厳寒が続いていますが本日のようにちょっと寒さが和らぐ日に
お散歩がてら江戸城のたたずまいを堪能しつつ訪れてみることを
お勧めします。

あ、国宝とかどこそこの何某という有名作家の作品じゃないと
見た気がしないという方はおやめくださいね。
あくまで器好き、の方にお勧めの展覧会です。

今日のBGM
Can You Celebrate?
安室奈美恵

小室バブルにあって彼女だけはちゃんと
生き残ってますね。
まあ小室さんもあのバブルから10年すぎて
再評価されてるみたいですけど
あのバブリーな作品群の中から最後
何が残るのでしょうか。

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生誕130年記念 藤田嗣治ふじたつぐはる展 ―東と西を結ぶ絵画―

Foujita.jpg

府中美術館で実施していた藤田の展覧会に行ってきました。
あの藤田独特の美乳白の絵に至るまでの
変遷、また人物画だけでなく、彼愛用の品を思い入れたっぷりに映画いてる画も多数あり
”Fou”(フランス語でくるっているという意味。日本語の「ふ」をフランスで正確に発音してもらうには
FuではなくFouでないというところとひっかけた表記)jitaができるまでの変遷をなぞることができます。

もちろん、ここで説明されている彼の絵の変遷は、さほど新鮮なものではないですが
それでも、彼がフランスで日本の油絵がいかに古いものであったか悟り夢中になって
画風を開拓していく様子や、フランスにあっても日本にあっても異端視されていく様子、
も年次を追って確認していくことができます。

秋田の平野政吉美術館はもちろん(まあさすがにあの、祭りの画は
移動できないですけどね)ランスの美術館からも作品が出てました。
彼が最後まで離さずにいたお気に入りの絵も惜しげもなく出ており
私が今までみた藤田の展覧会の中で最高の作品数、といえるかと。
初期の、おそらく彼のいうところの「古臭い」油絵も出ており、この平々凡々な絵の作家が
ここまで個性的で唯一無二の美術品を生み出すなんてとても想像できません。
そういう、発見ができたといういみあいでも面白く、堪能できる展覧会でした。

*もう残念ながら開催は終わっていますのでご留意を

今日のBGM
So little kindness
Huey Lewis and The News